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2022-04-13コラム

医療機器業界における効果的なリスク分析のためのヒント

  • 医療機器業界では、リスクを管理し軽減することは容易なことではありません。高品質の製品を開発するための時間や予算外の費用、何年もかけて築いた評判が数分にして損なわれる可能性など、標準未満の管理をすると、劣悪な仕事をした結果、大きな代償を払うことになるからです。

    効果的なリスク分析を行うには、全てにわたって最初から最後までリスク分析を行い、全体的かつ関連性のあるアプローチを取る必要があり、適切なツールを採用することが不可欠です。

    #1:全部にわたってリスク分析を実施する
    製品の設計段階からリスク分析を開始し、製造や流通の段階まで管理する必要があります。製品のライフサイクル全体を通してリスクを管理しないことは、エンドユーザーを危険にさらすことになります。

    もし、製品開発の途中からリスク分析を始めるのであれば、それはまさにこの言葉の定義に反するアプローチとなります。一般的に、医療機器業界では、リスク分析とは、製品の市場投入を妨げる可能性のあるあらゆる要因を認識し、対処することです。もし、適切なリスク分析を行わずに医療機器の開発を進めているのであれば、その製品には高い確率で欠陥があることになります。たとえ早期に対処できたとしても、最初からリスク分析を行っていた場合よりも時間を要するでしょう。

    効果的なリスク分析を行うには、製品設計の初期段階からリスク分析を行い、製品の全ライフサイクルを通じてリスク分析を継続する必要があります。

    #2:リスク分析に全体的かつ連結的なアプローチをとる
    連携したリスク分析により、リスクとその潜在的な影響を全体的に把握することができます。医療機器業界では、このレベルの可視性を確保することは必須になるでしょう。

    連携したリスク分析には、次のような具体的なアクションが必要です。

    • 想定される脅威を特定する。組織全体からデータを収集し、この情報を使って、考えられる脅威のリストを作成します。リストの各項目を評価し、それが自社のデバイスに適用されるかどうかを判断します。
    • 可能性と影響を評価する。想定される各脅威の可能性と影響度を計算します。組織、デバイス、環境、およびエンドユーザへの影響を考慮することが重要です。
    • リスク管理のオプションを検討する。リスク管理は、「リスクの回避」「リスクの共有」「リスクの受容」「リスクのコントロール」の4つの方法から選択することができます。理想はリスクを回避することであり、連携したリスク分析により、製品ライフサイクルの早い段階でリスク対策とコンプライアンス対策を講じることができます。


    #3:デジタル品質管理システムの採用
    デジタル品質管理システム(QMS)は、リスクを特定し管理するためのアプローチを提供するため、連携したリスク分析に不可欠です。また、問題の再発を追跡・分析することができるため、長期的なリスクを認識し、軽減することが可能になります。さらに、デジタル接続されたソリューションにより、リスク関連の活動や文書化が一元化されます。

    デジタルQMSのその他の利点としては、以下のようなものがあります。

    • リスク分析を開始し、データを収集する必要がある場合、すべて電子的に一箇所に保存され、すべてに迅速にアクセスすることができます。
    • 市場投入までの時間を短縮するために、品質やリスクマネジメントプロセスを妥協する必要はありません。エンド・ツー・エンドのソリューションにより、デバイスのライフサイクルのあらゆる段階で品質が確保されます。より高度な品質と効果的なリスクマネジメントの組み合わせは、より迅速な市場投入を可能にします。
    • リスクを軽減するために必要なツール(CAPA管理、設計管理、監査管理、サプライヤー管理、分析および報告など)がすべて1箇所にまとまっています。


    結論
    リスク分析により、一貫したプロセスを使用して、コンプライアンスに準拠し、人生を変える製品を予定通り、または予定より早く市場に投入することができます。リスク分析の詳細と、デジタル品質管理システムを使用して上記の手順を実行する方法については、ホワイトペーパー "Cannon Quality Group: Risk Management and Connected Risk. "をダウンロードしご参照下さい。

     

    著者のご紹介
    Nicolle Cannon

    Nicolle Cannon は、スタートアップ企業や初期段階の医療機器企業の支援を専門とするフルサービスの品質管理アウトソーシング組織である Cannon Quality Group の創設者兼 CEO です。10年以上前に会社を設立し、それ以前は、Fox Hollow、Advanced Stent Technologies、AVE/Medtronicなどの機器メーカーで品質管理の仕事に携わってきました。カルポリ州立大学にて機械工学の学位を取得。

    本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。


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