ライフサイエンス分野のすべての組織は、患者ケアの質を高く保ちながら、高騰する医療費を削減することを総体的に求めています。多くの医療関連企業は、これらの目標を達成するための方法を日々模索しています。医療機器業界では、シングルユースデバイス（SUD）の再利用がその一端を担っています。

これまで、医療機器は一度だけ使用されることを前提に設計されていたため、そのライフサイクルは短かく、目的を果たしたら、廃棄され、新しいものに交換されるだけでした。そのため、新しいSUDの購入と廃棄を繰り返すことが、医療費の高騰を招き、廃棄物処理場には多くのSUDが積み上がっていました。現在では、SUDは洗浄、滅菌され、元の状態に戻すことができます。これらの機器は再利用することが可能であり、またそうすべきでしょう。

医療機器再生メーカーのノースイースト・サイエンティフィック社は、「革新的な手法と準拠したプロセスを用いて、医療機器業界を大きく変える」というミッションのもと、SUDを再び使えるようにする活動を行っています。ノースイースト・サイエンティフィック社が再製造する機器は、血管インターベンションに使用される高コストのカテーテルで、次のようなものがあります。

• VNUSクロージャーファスト®カテーテル
• RFスタレット
• フィリップス・ボルケーノ®
• IVUS診断用カテーテル

ニーズを満たす

現在、医療の現場では、病院を離れ、オフィスベースのラボ（OBL）で仕事をする医師が増えています。こうした医療従事者にとって、再生医療機器はOEM（相手先ブランド製造）の約半分の価格で購入できるため、大きなメリットとなります。

 

例えば、心房細動（AFib）の場合、機器のコストは約10,000ドルですが、ラボ内でわずか4台の機器を再処理することで、処置にかかる機器のコストは約7,000ドルになり、30%の節約となります。これは、財務的に持続可能な電気生理（EP）研究室とそうでない研究室の違いをもたらす違いとなります。

ノースイースト・サイエンティフィック社のCEO兼社長であるCraig Allmendingerは、次のように述べています。「これは、高コストで複雑な装置を見つけ、再加工、再製造し、そのコスト削減分を（医師に）提供し、医師がそのコスト削減分をより良い医療の提供に再投資できるようにするということです」。

医療費の削減だけでなく、医療機器の再生は環境保全にも大きく貢献します。フラウンホーファー環境・安全・エネルギー技術研究所が実施した研究によると、病院は、医療機器の再製造（シングルユース）により、医療機器の使用に伴う排出量を半減させることができることが示されています。

この研究の著者らは、16の影響カテゴリーを調査し、以下の13のカテゴリーにおいて、再生カテーテルがオリジナルのカテーテルより優れていることを発見しました。

• オゾン層破壊 - 再生カテーテルはオゾン層破壊を約90%(89.7%)減少させました。
• 気候変動 - 再生カテーテルは、CO2換算の排出量を半減（50.4%）させました。
• 光化学オゾン生成 - 再生カテーテルは、人体に影響を与える光化学オゾン生成を 72.8%減少させました。
• 呼吸器系無機物 - 再生装置により、呼吸器系無機物による疾病発生を66.8%削減しました。
• 癌による人体への影響 - 再生カテーテルは、癌による人体への影響を 60.9%低減しました。

資料の収集

医療機器の製造には、機器ごとにDHR（Device History Record）があるため、膨大な量のペーパーワークを伴います。ノースイースト・サイエンティフィック社が再生した多くの機器に必要な書類をすべて管理するのは複雑で、ミスが起こりやすいものでした。ノースイースト・サイエンティフィック社の製造エンジニア、Evan Rifeは、「報告書の作成には時間がかかります。ロットの歩留まりを判断するために完成品が出るのを待つことも多く、すべての書類作成が一体となって動いていました。」と述べました。

MasterControl Manufacturing Excellenceを使用することで、ノースイースト・サイエンティフィック社は紙を排除しているため、文書管理をより円滑に行うことができます。書類を紛失したり破損したりすることも、書類が完成するのを待つことも、監査用に記録を見つけスキャンするために書類棚や箱を探し回ることもなくなりました。

オールメンディンジャー氏は、「紙ベースのシステムを排除することなく、これまで通りの活動を続け、成長を実現し、優れた製品を生み出すことはできません。」と述べています。

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