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2021-11-22コラム

品質や製造にAI(人工知能)を活用する

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    人工知能(AI)は、ライフサイエンス企業に数百万ドルの影響を及ぼしています。臨床試験におけるAIの適用など、斬新な使用例について読むのは面白いですが、それは品質や製造の担当者が日常的に行っていることとは非常にかけ離れているように見えます。品質や製造分野におけるAIは、平凡な反復作業を取り除き、人間による検討を必要とする業務に時間を割くことができます。

    最近のウェビナーで、マスターコントロールの製品管理分野におけるディレクターのErin Wrightは、AIに対するより現実的なアプローチについて概説しました。彼女は、AIと高度な分析がライフサイエンス業界で現在どのように機能しているか、それらがどのように未来を変えようとしているか、そしてマスターコントロールがこれらの利点をお客様にご利用いただくために何をしているかを説明しました。

    私たちはどこにいるのか

    「AIが品質や製造を変える現実的な展望」と題されたウェビナーで、Wrightはまず、記述的分析、予測的分析、対処的分析の違いについて説明しました。その定義は、名前から想像できるようなものばかりです。

    • 記述的:今、何が起きているのかを伝える(例:研修が期限切れになっている社員が何人いるかなど)。
    • 予測的:過去のデータに基づいて、何が起こりそうかを示す(例:新しいトレーニングを期限内に完了しそうな社員は何人いるか)。
    • 対処的:望ましい結果を得るために何ができるかを示す(例:従業員や上司にメールを送ることが、トレーニングの完了を促すかどうかを示唆する)。

    予測的・対処的分析とAIには、実は重なる部分があります。その好例が、過去のデータに基づいて「学習」するAIのサブセットである機械学習(ML)です。MLを使用すると、ソフトウェアは類似した事象の過去の是正処置/予防処置(CAPA)データを使用して、問題を解決するための最善の選択肢を理解し、また同様の問題が再び発生する可能性がある時期を予測することができます。

    AIのもう一つのサブセットは、自然言語処理(NLP)です。Wrightは、NLPが品質担当者のクレーム対応やトレンドの特定に役立つ例を挙げました。クレームを自由記述欄に入力する際、同じような問題が "かゆみ"、"引っかき傷"、"赤み"、"発疹 "などと記述されることがあります。NLPがなければ、品質担当者は手作業でデータを調べ、同じ問題を扱う苦情の間に関連性を見出そうとしなければなりません。NLPはそれを自動的に行うので、時間の節約になり、重大な問題を見逃すこともなくなります。

    私たちの目指す場所

    クレームは品質イベントにつながるものであり、QEM(品質イベント管理)もWrightの大きな話題となりましま。AIと分析によって、CAPAが根本的な原因を突き止め、問題を完全に排除することができます。最終的には、CAPAを自己調査し、実質的に自己管理するようになることさえあります。

    しかし、Wrightは「AIに頼りすぎるのは非常に危険である」と指摘しています。人工知能は、それを構成するデータと同じように欠陥があります。さらに彼女は、「私たちは、必ずしもAIがすべてを行うというポイントに移行していないことを確認したいのです」と説明しました。機械に任せるのではなく、人間が本当に判断することが必要なのです。

    Wrightはまた、AIが予知保全に役立つことを指摘しました。製造業では通常、機械の再調整が必要な時期をある程度予測していますが、必ずしも予想通りになるとは限りません。もちろん、機械のメンテナンスは、製造ラインが停止する原因のひとつに過ぎません。AIを使えば、すべての要因が考慮され、機械のメンテナンスが必要な時期、ラインの停止時期、そしてその問題を軽減するために何ができるかを、より正確に知ることができるようになるのです。

    マスターコントロールはどのようにリードするのか

    AIをはじめとするあらゆる分析の基礎となるのはデータです。そしてそのデータは、優れたデータインテグリティの原則に従って扱われる必要があります。データの信頼性が高まれば、企業はデータに基づいた意思決定を行うことができるようになります。Wrightの発表に共通するテーマは、「Junk in, junk out(不適切なデータとして作成すると、それから作成される他のデータも不適切になってしまう)」という考え方です。これは、プロセスとデータの両方に関連するもので、もし、最初に作ったものが良くなければ、AIはそれを魔法のように変えてはくれないということです。

    「より良いデータは、より良い意思決定を可能にする」とWrightは言います。データ駆動型企業であれば、感情や直感ではなく、それを支える基礎的なデータに基づいて意思決定を行うことができるのです。

    また、組織内でのデータの扱い方を改善し始めるには、今がベストタイミングであると指摘しています。「ビッグデータは大きくなる一方です。早く始めれば始めるほど、組織全体で利用可能なビッグデータを削り取ることができるのです。

    マスターコントロールでは、データをより利用しやすく、より正確にするツールをお客様に提供しています。MasterControl Insightsを使用すると、お客様はデータをより詳細に制御でき、データを消費しやすい方法で表示するレポートやビジュアライゼーションにアクセスすることができます。

    Wrightは、Premium Insightsについて、「私は、カスタム式や個々の測定を作成し、追加情報、コーディング、更新、Excelレポートなしで、データを顧客としての私のニーズに合わせることができます」と説明しています。

    就活を始める必要はない

    AIの話になると、どうしても「AIや自動化によって仕事がなくなるのではないか」という懸念が出てきます。これは一部の分野で起きていることですが、Wrightの考えているシナリオとは異なります。講演の最後に、参加者から「この技術によって、質の高い担当者の需要が減るのではないか」という質問がWrightにありましたが、その質問に対して、Wrightは「ない」と断言しました。

    「すべての人をロボットに置き換えるわけではありません。難しい部分や統計解析はロボットが行い、真の判断は人間が行うようにしようとしているのです"。

    AIが品質と製造にどのような恩恵をもたらすかについては、以下よりウェビナーの全編をご覧ください。


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