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2021-08-18コラム

医療機器メーカーが電子化する際の4つの注意点

  • 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中で前例のない課題を生み出しました。医療機器メーカーにとっては、俊敏性や適応性など、製造業に既に存在していた課題や弱点が露呈する事態となりました。この1年半のビジネスの世界的な混乱は、オフラインやサイロ化(システムやプラットフォームの連携が無く孤立している状態)してしまっている分野を電子化し、アクセスできるように迅速に取り組む必要性が増加しています。

    数百社もの製造業が参加しているクラウドベースのネットワークであるFictivが2021年に製造業の担当者に対して実施した調査では、次のような結果が出ました。
     

    • 回答者の91%は、過去1年間のデジタルトランスフォーメーションに対する投資が増加したと回答
    • 回答者の77%は、デジタルトランスフォーメーションに対する投資の増加は重要または劇的であったと回答
    • 回答者の95%は、製造業におけるデジタルトランスフォメーションが自社の成功に必要不可欠であると回答


    俊敏性に優れた企業では、人工呼吸器やマスク、他の医療用品に対する前例のない需要増にも対応し、市場に製品を供給し続けることができました。そのような対応ができていた医療機器メーカーでは、既に電子化を実現しており、製造ラインの迅速な変更が可能だったのです。

    デジタルトランスフォメーションの利点は、多くの企業で認識は出来ていても、計画まではできていないことが多くあります。また、戦略的な方針を策定しても、製造現場のような環境では、「現実」の壁に直面してしまうという課題もあります。
     

    • プロセスの再構築や再教育に対するコスト
    • 既存のソフトウェアの機能を導入は高額
    • 紙は実績があり、比較的簡単に変更可能
    • レガシーシステムは簡単には統合できない
    • 新しい技術は検証・テストが必要


    しかし、このような課題を軽減または最小化できる現実的な解決策も存在しています。重要となる点は、効果が最大となる領域に対して小さな変化を起こすということです。


    電子化を優先すべき4つの分野

    医療機器メーカーがテクノロジーを活用する方法を検討する上で、電子化の適用から俊敏性を実現し、業務改善に繋げることが可能な幾つかのポイントがあります。

    #1 クラウドの導入:新型コロナウイルスの発生により、クラウドコンピューティングへの移行が加速しています。クラウドは、データの整理と共有を容易にし、必要に応じて帯域を拡張することも可能です。オンプレミスから拡張性のあるクラウド環境に移行することで、異なるプラットフォームの統合やサイロ化の解消、コミュニケーションや共同作業の改善、そして、データ集約型アプリケーションの導入も容易となり、より完全で正確なリアルタイムのデータ分析が可能となります。

    #2 連携・連動したプラットフォームを優先:柔軟性の無いシステム連携からモジュール式のインターフェースに移行することで、俊敏性を実現し、連携・連動したデータからなるインテリジェンスを実現することができます。API(Application Programming Interface)やiPaaS(Integration Platform as a Service)で連携・連動されたソフトウェアは、より広範囲を統合した運用環境を提供し、既存ソフトウェア間で発生していたエラーやデータの整合性に関する課題を向上します。

    #3 設定レベルで構成可能なアプリケーションに投資:設定レベルで構成可能な柔軟性の高いソフトウェアは、短期間での導入が可能であり、定量的な利益をもたらすことができます。目的に合わせて構築したアプリケーションにより、担当者は様々な機器履歴簿(DHR)のテンプレートを素早く構築し、利用することが可能であり、生産性の効率化と品質の確保に繋げることができます。また、設定レベルで変更が可能な為、生産能力を高めるスケールアップや、小ロット生産の為のスケールダウンも迅速かつ容易に行うことができます。

    #4 小規模でスマートに始める:大規模なデジタルトランスフォメ―ションに着手するのではなく、既存システムが抱える課題を解消し、柔軟性が高く対象範囲も広いソリューションを活用し、小規模な導入をスピーディーに展開していきましょう。改善すべき分野を特定し、その領域を改善することができる小規模な導入を試験的に行うということです。つまり、小規模で導入し、その効果の検証を通じて価値を確認した上で、取り組みを拡大するのです。


    まとめ

    医療機器業界が安定化を維持し、危機管理段階から次の正常な状態への適応へと移行する中で、電子化のトレンドは今後も続いていくと考えられています。電子化を通じて俊敏性と業務改善を実現し、変革を起こすことができた企業は、競合企業に対する差別化にも繋がり、大きな優位性を得ることができるでしょう。

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