新着情報

新着情報

マスターコントロールからのお知らせです。

2021-08-30コラム

人工知能(AI)を活用した製薬業界の未来に備える3つのポイント

  • 製薬業界におけるAI(人工知能)の活用に対する期待は常に高く、創薬からマーケティングまで、様々な分野に応用可能であると考えられています。かつては、驚異的な可能性は秘めているが実用化は困難であるとされていた一方、実現できる日が近づいてきています。
     
    Landing AI社の創業者であるAndrew Ng氏は、「ソフトウェアではなく、データを中心とした手法を採用する開発者が増加している現在、AIも複雑ではなく、より利用しやすい技術になりつつあります。」と述べています。製薬業界では、企業規模を問わず、新技術を搭載した新たなツールを採用できるようになってきており、また、デジタルトランスフォメーション戦略に対して、AIを積極的に統合できている企業は、競合企業との差別化に繋がっています。ガートナー社の調査でも、ヘルスケア及びライフサイエンス分野において、最も普及している新技術であると報告されています。
     
    急速な発展を遂げているAIは、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な危機でも減速していません。ガートナー社の調査結果でも、AIに対する投資は、コロナ禍においても大半の企業が維持または拡大していると発表されています。そして、製薬業界におけるAIの活用は、従来の臨床や研究開発に留まらず、市販後調査や品質管理など、他の分野に対しても様々な改善に繋がってきています。
     
    品質管理など、従来はAIの導入が進展していなかった分野も例外ではなく、2024年までに管理業務の69%が自動化されるとの発表もあり、新技術は企業における役割の再構築にも繋がっています。業界全体に対する新技術の普及により、AIは様々な業務に深く浸透してきており、従来の業務の置き換えや強化が起きていることを示唆しています。また、このような技術は、書類作成や他の手作業に費やす時間の削減にも繋がり、管理者は、主となる責務や更なる成長への取り組みに、より注力することができます。
     
    さらに、AIはリソースが不足している企業でも、業務の効率化やスピードアップに必要不可欠なツールとなりつつあり、2023年までには、様々な規模の企業にて主要業務の半数にAIが導入されるという予測も発表されています。現在、拡大しているAIの取り組みが新たなデータの課題(インフラや管理、スキル等)を発生することは避けては通れない一方、これからの製薬業界の進化や成長に対する重要な要素の一つであることは間違いありません。
     
    AIに向けた3ステップの準備
     
    人工知能の価格は下がってきており、効率性を向上できる実務的なツールへと移り変わってきています。この新技術を自社に導入する前に、押さえておきたい3つのポイントを以下でご紹介いたします。
     
    #1:電子化に対するマインドセットの向上
     
    電子化が進んでいる製薬企業は、業界やテクノロジーの変化にも柔軟に対応ができており、最先端のツールを活用しやすい企業風土が出来上がっています。ボストンコンサルティンググループ(BCG)の調査では、人工知能の技術を事業に活用できている企業のうち88パーセントは、同技術の組織全体への活用に取り組めているとのデータが出ています。このような状況は、電子化に対するビジョンが企業文化として浸透していることを意味します。ビジョンを持たず新技術を導入したとしても、その利点を最大限に生かすことはできません。
     
    #2:早い段階から計画し、的確な導入スコープを策定
     
    業務やITのキーマンが早い段階から参画し、異なる分野の担当者が協力して新技術を主要なシステムや業務プロセスに導入する戦略を立てることで、IT部門は将来的な連携の準備ができます。また、新しいソリューションが現在直面している課題へ、的確にアプローチした導入に繋がります。
     
    #3:予測支援ツールとの連携
     
    データマイニングや予測モデリング、機械学習(ML)向けの統計的手法や革新的なテクノロジーは、データ分析を改善することが可能で、将来や未知の事象を予測する支援を行っています。その為、同技術に対して他社の動向を待つ立場を取ると、同様の情報を遅れて取得することになります。ガートナー社の調査では、人工知能導入の際、事前に十分な準備や取り組みを行なっていない企業は、その利点を最大限に生かす段階まで辿り着くのに、2倍の時間がかかっているというデータもあります。
     
    人工知能のROI
     
    投資に対する適切なリターンを得るには、確かな戦略が重要です。人工知能の価値を最大限に生かす為に、ボストンコンサルティンググループ社では、下記の6つの点をポイントとして挙げています。
     
    1. 人工知能とビジネス戦略の連携
    人工知能の恩恵を最も受ける事業目標を特定し、その目標の達成によるビジネスインパクトの大きい分野に注力しましょう。
     
    2. コストの削減より利益の拡大
    人工知能は性質上、利益(事業)の成長や拡大に対し、最も有効な技術であると考えられています。
     
    3. リスクとリターンのバランス
    高リスクのプロジェクトでは半数以上が成果を達成しているのに対し、低リスクでは23パーセントのみが想定した成果を得たとの結果が出ています。
     
    4. 人工知能を適用する業務プロセス
    人工知能の導入を経営層やIT部門のような一部のグループで決定するのではなく、業務プロセスを担当している部門とも十分協議しましょう。
     
    5. 人工知能はビジネスを変革する要素として捉える
    人工知能をある特定の業務や領域だけの導入として目標設定するのではなく、組織全体の電子化や最適化を最終的な目標としましょう。
     
    6. 人工知能を活かせる人材や管理体制、業務プロセスのアップデート
    人工知能の恩恵を最大限に得ている企業は、その技術を活かせる人材の採用や、既存の担当者への新技術の教育に積極的です。また、汎用性と安定性を持ち合わせたデータ管理のプラットフォームもポイントです。
     
    新技術など、製薬業界の未来を形成するトレンドについての詳細は、Industry Brief「製薬業界のニューノーマルとは」をご覧ください。また、弊社のAIや他の革新的な技術に対する取り組みや、お客様に対する利点の詳細は、弊社または弊社公式パートナーまでお問い合わせください。


    本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。


COPYRIGHT © MasterControl K.K. ALL RIGHTS RESERVED.