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マスターコントロールからのお知らせです。

2021-05-12コラム

クラウド環境でアーカイブされたデータ管理をシンプルに

  • マスターコントロールでは、データや記録の維持に関わる複雑で厳しい法規制への対応が多くの企業に求められていることを認識しています。北米で開催された当社主催イベント「Virtual Masters Summit 2020」の10-Talk(ミニ講演)にて、弊社のシニアプロダクトマネージャーであるErin Wrightが「クラウド環境におけるアーカイブされたデータ管理」と題しまして、クラウド環境におけるデータの管理や保存に関わる技術や利点について、講演を行いました。

    まず、クラウド環境におけるストレージの考え方について、説明しました。Wrightは、家族写真などの個人データを友人が所有するサーバーに保存しており、これは災害対策や保管以外にも、メインサーバーに対する負荷を軽減する目的で使用しています。

    法規制対象となる製品の開発や製造データも似ており、様々なファイルを基本的には長期保存する必要がある一方、査察時など必要な時にアクセスできれば良いという側面があります。


    クラウド環境にデータをアーカイブする必要性

    データや記録のアーカイブに関わるガイドラインは、対象となる製品によって異なっており、必要となるプロセスをより複雑にする要因となっています。下記にご紹介するのは、データの保持に関してFDA(米国食品医薬品局)が求めている法規制の一例です。

    • Part 211.180:医薬品GMP

    バッチの有効期限から最低でも1年間は、そのバッチに関わる製造や管理、流通の記録を保持する必要があります。ただし、211.137に規定された例外により、有効期限のない特定のOTC医薬品については、バッチの流通後、3年間の保持が求められます。

    • Part 321.62 (c):治験責任医師の記録の管理及び保持

    調査を行っている医薬品が承認されてから2年間は、本パートで求められている記録を治験責任医師が保持する必要があります。

    「製品によっては、これは保管期間の1.5倍の期間を示しています。もし、ある製品が30年間持つとすると、これは45年間分の記録を維持しなくてはいけないことになります。」


    クラウド環境でのデータ管理

    データは、より強力なものになってきている一方、その量も膨大になってきており、それらのデータを長期間にわたって、管理やアーカイブしながら運用することにかかる工数も少なくありません。紙で運用している場合、その紙を保管するのに倉庫が必要なケースもありますが、ソフトウェアで電子的に運用しても、45年間ものデータを整理しながら管理することも簡単ではありません。

    しかし、クラウド環境におけるデータ管理は、より簡単で実行可能なものになってきています。弊社の提供する新しいデータアーカイブ向けソリューションは、クラウド環境にある膨大なデータをアーカイブし、いつでもスピーディーにアーカイブされたファイルにアクセスすることが可能です。

    また、扱っているデータの量が膨大な場合、クラウド環境への移行にも一定の工数を想定する必要はあります。しかし、クラウド環境におけるデータの維持や整理、そして、手軽にデータを利用することが可能となり、データ管理に関わる法規制要件を満たす上でも非常に効果的です。


    マスターコントロールのデータアーカイブ向けソリューション

    マスターコントロールは、クラウド化の道を進んでおり、全てのテクノロジーの運用環境の未来でもある為、全ての弊社製品もクラウドに対応した形で開発されています。データアーカイブ向けソリューションもその一つであり、既存システムのパフォーマンスに影響を与えることなく、アーカイブされたデータにスピーディーにアクセスすることを可能にする製品となっており、次のような特徴があります。

    • 4個目の環境:アーカイブ向け環境は、お客様に提供する4個目の環境となります(本番、テスト、開発、アーカイブ)。そして、この環境には、閲覧を目的とした文書とプロセスのライセンスが3個、付与されます。
    • 制限付きアクセス:アーカイブ環境には、ネームドライセンスのみ提供されます。

    「例えば、行政査察の対応時、45年前のデータが必要になっても、専門家に頼らず、薬事や品質分野の担当者でデータにアクセスすることができます。」

    • シンプルな設定:データアーカイブ向けソリューションは、一つの保管庫にインフォカードタイプというシンプルな設定で構成されており、カスタムフィールドやeFormを活用することで、アーカイブされた記録の検索や閲覧をすることができます。

    「複雑なワークフローやライフサイクルは必要ありません。ポイントは、必要な記録を素早く検索し、アクセスできることであり、アーカイブされた記録に関わるFDAの要求を満たすことが出来ます。」

    • 生産性の向上:この製品もクラウド環境にて提供される為、マスターコントロール製品と同等のバックアップやリストア、アップタイム、セキュリティーレベルにて提供されます。また、データインテグリティーやデータの喪失といった心配をする必要もなくなります。お客様の本番環境向けに構築された全てのプロセスや文書で弊社も運用し、この全てをクラウド環境にて提供しています。


    データアーカイブ向けソリューションの利点

    クラウドは、巨大なストレージ容量を備え、スピードと柔軟性に優れたITインフラである為、利用する企業にとっても、膨大な量のデータを統合管理することで、より効率的でリアルタイムにデータ管理と分析を行うことができます。

    クラウド・アーキテクチャーがシステムのパフォーマンスを向上することができる理由の一つとして、データの移動距離が短縮される点があり、これにより、閲覧など要求したデータを返すまでにかかる時間を短縮することができます。

    下記にご紹介するのは、データアーカイブ向けにソリューションを活用する上での利点です。

    • お客様の本番環境のパフォーマンスに影響を与えません。

    「レポートを作成するのに、45年分のデータから検索しなければならず、30分も時間を要するということは、それは誰にとっても面倒なことです。」

    • アーカイブ環境のどこにデータがあるかを知ることで、より手軽に素早く規制対象のデータにアクセスすることができます。

    「独自に設定した大量のカスタムフィールドやタグを使う必要がない為、必要なデータをより簡単にアクセスすることができます。」

    • データのクリーンアップを行なった後、シンプルで検索しやすい形でアーカイブされている為、データをより綺麗で整理されている状態にすることができます。
    • 全てはマスターコントロールの環境に保存されている為、検索等の新しい方法を学ぶ必要がありません。

    データアーカイブ向けソリューションに関するご質問やご要望は、弊社担当までお問い合わせください。


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