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マスターコントロールからのお知らせです。

2021-05-19コラム

APAC市場における最新の製造プロセスに対する考察

  • マスターコントロールは、製造分野におけるテクノロジーの急速な発展に貢献する為、世界中の製造現場に最新のソリューションを提供することを目指しています。そして、そのビジョンは、APAC(アジア太平洋地域)に対しても同様です。

    日本や中国、台湾、韓国、タイ、シンガポール、インド、そして、オーストラリアは、弊社でも成長戦略における主要な地域の一つと考えています。2008年に中国で最初のお客様にご採用いただき、2010年には日本に本社を構える大手製薬会社にご採用いただきました。それから10年が経過した現在でも、APACにおける当社のカスタマーベースは成長を続けています。


    供給不足に対する適応性

    昨年は、弊社が提供するような製造ソリューションが注目される一年になりました。新型コロナウイルスの拡散拡大時のように、原薬(API)が不足する事態が発生すると、世界中の人々の健康が危険にさらされます。そのような状況下において、医薬品の製造プロセス全体を製造管理システムに取り込み、規制当局にもリスクを含め明確な運用体制を構築することで提供できる透明性は、電子化されたソリューションだからこそ実現可能であり、その重要性が多くに認識されました。

    電子化の成熟させることは、大きなメリットをもたらしており、世界中が新型コロナウイルスに直面している現在、インダストリー4.0(第四次産業革命)を実践できている企業は、ダウンタイムの減少や生産性の向上、スループットの増加、品質に関わるコストの削減を実現し、競合他社を凌駕しています。テクノロジーは、従来の手法では不可能であった拡張性と適応性を提供することができるからです。


    査察や監査への準備

    FDA(米国食品医薬品局)は、2021年から2022年の間に、APACにおける現地調査の再開を予定しています。一部はリモートでの実施を継続するかもしれませんが、製薬や医療機器、バイオテックなどの企業は、この点への対応を意識する必要があります。

    査察や監査に対して常に準備体制が整っている運用は、品質に関わる業務プロセスの連携が可能なソリューションを使用することで実現可能です。APACの一部のお客様では、何もない状態からスタートするケースもありますが、その場合でも、全てをゼロから構築することができるという利点があります。既存のソフトウェアや紙ベースのプロセスが存在していない場合、SOP(標準業務手順書)などの文書を最初から電子で作成することができます。また、ソフトウェアを稼働させた最初の段階から、製造と品質に関わるプロセスが連携するよう設計できる為、文書の紛失や時間の無駄といった事態をスタートから防止することが可能です。また、当局への申請等に求められる全てのデータが統合管理され、簡単にアクセスもできるようになります。つまり、関連する全てのプロセスが連携され、完全なペーパーレスの運用環境を構築することができるのです。


    品質と評判

    製薬業界に対する世間の注目が非常に高い現状を踏まえると、GMP(Good Manufacturing Practice)への準拠の重要性は言うまでもありません。大半の市場では、製品の品質や安全性の維持を目的としてGMP(または類似した)規制が存在しており、対応が不適切な場合、人々の健康が危険にさらされたり、法令違反に繋がる可能性も出てくるなど、企業が築き上げてきた信頼が崩れ、悲惨な状況を招く危険性があります。

    2021年に入ってから既に警告に繋がるような話が出てきています。ロイター通信は、イーライリリー社の元社員が品質管理の不備に関する数々の疑惑を告発した経緯を特集記事で発表しました。FDAによる定義査察の中で、QMS(品質マネジメントシステム)で求められている記録の幾つかが欠けている状態であると指摘しました。

    また、新型コロナウイルス用のワクチンも幾つかの課題を抱えています。CDC(アメリカ疫病管理センター)とFDAは、ジョンソン&ジョンソン社製の単回接種ワクチンについて、血栓が発生したと報告を受けた6件の事例に関するデータを確認する為、使用を一時的に停止するよう通達しました。同社は、欧州の保健当局との間でも評価を行っており、欧州におけるワクチンの発売を延期するとの声明を発表しました。

    また、アストラゼネカ社とオックスフォード大学が開発したワクチンも、品質面で幾つかの課題を抱えており、ワシントンポスト紙は、古く誤解を招く可能性のある治験データが使用されていた可能性を報道し、欧州の規制当局もワクチンと稀に発生している血栓との関係について指摘しています。また、オーストラリアでは、当初は国民の大半に同社のワクチンを使用する予定でしたが、健康被害の可能性に関する報道を受け、50歳未満の方にはファイザー社のワクチンを推奨すると方針転換を行いました。

    このような問題を避ける為には、品質に最優先で取り組む必要があり、製造と品質、法令遵守をより合理的に管理する手法として、この分野に特別に設計されたソリューションで運用することが効果的です。これにより、製品の安全性と法令遵守を維持し、市場展開後の課題を防止することができます。


    最新の製造管理ソリューションが必要不可欠

    ライフサイエンス業界では、非常に高い品質を維持しながらスピーディーに作業しなくてはいけないというユニークな課題を抱えています。その点、電子化を実現する製造管理ソリューションは、規制対応を求められる企業がその2つの要件を満たす上で効果的な選択肢となります。ここで、弊社製品をご利用いただいているお客様の事例を幾つかご紹介します。

    • データ入力ミスを90%-100%削減
    • 逸脱発生件数を20%-25%削減
    • バッチ毎のレビュー時間を2-3時間から10-15分に短縮

    これらの企業では、製品をより早く市場に展開することで、競争力の強化に繋げています。

    企業が製造分野で成功を収める上で、電子的な製造管理ソリューションを活用することが必要不可欠です。アジアにおける製造業のトレンドが今後も医薬品や医療機器、バイオテックの世界的な成長を支えていく為、現在こそがその検討を行う上で最適なタイミングであると考えています。

     

    著者のご紹介
    Sara Bresse


    APACのマネージング・ディレクターとして、地域のGTM計画やセールス、マーケティング、製品P&Lを管理しています。また、中国、インド、その他の地域でのマーケットシェアの拡大、また、世界中のマスターコントロールのパートナーとアジアのお客様へのサポートも担当しています。

    EVP of Marketing and Channelとして、Bresseはマスターコントロールのリブランディングとリポジショニングも行い、MCのデジタル需要の基盤を強化し、2桁の成長を可能にしました。また、中国とインドの成長に特に重点を置いて、再販チャンネルを通じた海外展開販売を管理しています。Morpho Detection社のCMOを務めた際には、世界的なセキュリティメーカーである同社のデジタルトランスフォーメーションとブランドイメージの刷新を図りました。

    Bresseは、クライアント側と広告代理店側の両方で、統合マーケティングに関する20年以上の経験を持っています。広告代理店に入社する前は、FranklinCovey社を含むいくつかの世界的なブランドで、「7つの習慣」のカリキュラムを再構築し、再出発させました。また、Intel社やFord Motor Company社にも勤務していました。

    シカゴ出身で、ミシガン州立大学の卒業生です。

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