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2021-03-16コラム

医薬品サプライチェーンの最適化 ~パンデミックから学ぶ~

  • 昨年発生した新型コロナウイルスのような危機は、過去を振り返ってみても製薬企業のサプライチェーンに起きたことがありません。パンデミックの広範囲にわたる影響は、製薬業界全体に及び、一部のサプライチェーンを停止させる事態も引き起こしました。行政による輸出規制から工場閉鎖まで様々な要因が絡んでいることから、サプライチェーンにおける課題が、突如として脅威とも言うべきものとして認識されるようになりました。

    一方で、今回のパンデミックによって発生した状況から幾つかの重要なポイントも見ることができます。例えば、供給を1社に依存していた結果、サプライチェーン全体に混乱が広がってしまったケースがありましたが、このような状況を見直す必要があります。この点は弊社でも重要視しており、今後発刊を予定している「製薬業界のニューノーマルへの適応」でも、特集されています。

    それでは、医薬品に使用されている原薬(API)及び他の原材料を例に確認していきたいと思います。医薬品の原薬の8割は中国及びインドから供給されており、今回、両国における工場閉鎖や製造遅延が発生した際、ジェネリック製薬会社を中心とした多くの企業の売上に深刻な影響を与えました。また、その後の流通に発生した課題の複雑化に拍車をかける事態へと繋がりました。

    このような数々の難題の発生は、ライフサイエンス企業の判断をより慎重にさせ、パンデミックの更なる長期化に対する懸念から、サプライチェーンの安定性に対する疑問や疑念も続いています。しかし、このような時だからこそ、自社のサプライチェーンを見直す良い機会でもあり、課題を認識することで、強化に繋がるチャンスと捉えることもできます。


    サプライチェーンの適応性に対するニーズの拡大

    まず、医薬品に使用されている原薬(API)及び他の原材料を例に確認していきたいと思います。医薬品の原薬の8割は中国及びインドから供給されており、今回、両国における工場閉鎖や製造遅延が発生した際、ジェネリック製薬会社を中心とした多くの企業の売上に深刻な影響を与えました。また、その後の流通に発生した課題の複雑化に拍車をかける事態へと繋がりました。

    このような数々の難題の発生は、ライフサイエンス企業の判断をより慎重にさせ、パンデミックの更なる長期化に対する懸念から、サプライチェーンの安定性に対する疑問や疑念も続いています。しかし、このような時だからこそ、自社のサプライチェーンを見直す良い機会でもあり、課題を認識することで、強化に繋がるチャンスと捉えることもできます。


    サプライチェーンのレジリエンス

    レジリエンスとは、直訳すると「回復力」や「立ち直りの早さ」、「適応力」という意味であり、異常事態が発生した際の対応の柔軟性や復旧の速度等を意味しています。自社のサプライチェーンの状態を確認する上で最初に実施するのがリスク評価で、ボストンコンサルティンググループ社のリサーチでは、自社のサプライチェーンのレジリエンスを評価する指標として、下記を推奨しています。

    • 輸入される製品の比率
    • サプライヤーの比率(国別)
    • 自国で調達及び販売されている製品の比率
    • 主要な原材料・部品の代替調達先の有無
    • 主要な原材料・部品の在庫量


    これらの指標を徹底的に分析することで、対応または強化が必要な領域の把握に繋がります。


    サプライチェーンを最適化する3つのステップ

    自社のサプライチェーンに課題が発生した際、改善を推進する上で押さえておくべき3つのポイントがあります。


    #1:最も脆弱な箇所を把握

    潜在的なリスクや脆弱性を特定するには、現在のサプライチェーンの各工程を入念に評価する必要があります。アーネスト&ヤング社のサプライチェーン分析では、サプライチェーンの安定性は、信頼性に関する客観的評価と調達先及び業務プロセスの依存関係が鍵であると述べています。


    #2:バックアッププランの策定

    新型コロナウイルスの影響に関わらず、サプライチェーンの混乱に対する準備の重要性を実感した方は多いと思います。特に対策をまだ検討していない場合、調達先(2次、3次を含む)に流通の混乱や遅延、施設の閉鎖などが発生した際の製品への影響の評価を行い、そのリスクを軽減するプランを作成しましょう。そして、そのプランには可能な限り余裕を持たせ、調達先及び調達品の代替案を入れましょう。


    #3:品質とサプライチェーンの連動

    製造において、品質が最も優先されるべき項目であるように、サプライチェーンにおいても、製品やサービスに関わるサプライヤーの品質に常に注力すべきです。サプライヤーの品質に関わる問題が発生すると、製薬業界ではその影響が特に深刻です。サプライチェーンに起因して発生する問題の62パーセントは、品質や製造の問題に繋がり、医薬品の供給不足を発生させています。

    自社ではサプライヤー品質を効果的に管理できていないと思う場合、透明性があり共同作業に適した環境の構築(または再構築)を検討してみましょう。弊社が提供するソリューションでは、適切なセキュリティーが搭載されたサプライヤー管理を電子化し、取引のある全てのサプライヤーの管理を劇的に改善することができます。さらに、各サプライヤーに関する様々な情報や承認済サプライヤーの一覧(21 CFR Part 820)など、サプライヤーの評価から管理に関わる様々な業務プロセスやデータを統合管理することも可能です。


    業務に適したツールを

    効果的なサプライヤー品質を管理する上で、自社が適切なインフラを有していない場合、透明性があり、サプライヤーとの協力体制も強化できるソリューションを検討する良い機会かもしれません。マスターコントロールでは、承認済みベンダー一覧(AVL)のモニタリングやサプライヤーの認定など、サプライヤーに関する全てのデータの統合管理が可能なソリューションを提供しています。

    サプライチェーンのレジリエンスを強化できるサプライヤー管理ソリューションにご興味がございましたら、弊社担当までお気軽にご連絡ください。

     

    著者のご紹介
    James Jardine

    ユタ大学にてジャーナリズムを専門としてコミュニケーションの学位を取得後、コミュニケーションやオペレーションの分野にて従事、American Cancer Societyのユタ州及びアイダホ州のディレクターやUtah Food BankのGrants/Contract Managerも歴任しました。2007年にマスターコントロール米国法人に入社後は、マーケティング コンテンツ ライターとしてライフサイエンスやテクノロジー、法規制対応等を中心にマスターコントロール及び他の媒体向けに様々な執筆を行っています。

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