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2021-02-24コラム

エキスパートが紹介するリモート監査の利点

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    私たちの多くは、早く通常の暮らしに戻れることを望んでいますが、新型コロナウイルス以前の状態には戻らない事もあると考える必要があり、その一つが監査です。ただ、リモート監査やバーチャル監査の採用拡大については、今回の新型コロナウイルスだけが理由ではなく、実際に弊社では、数年前からリモートによる監査対応を行っています。そして、監査担当者の方々とやり取りを通じて、リモート監査でも効果的な監査が可能であることを認識しています。
     
    今回の新型コロナウイルスの感染拡大の状況は、過去にリモート監査を行なっていなかった企業に対して、リモート監査を採用するきっかけになったと思います。そして、この経験を通じてリモート監査の利点を認識したことで、コロナ後も一定の形で継続していくのではと考えています。本稿では、30以上ものリモート監査の経験を有する弊社のQuality EngineerであるNatalie Weberが昨年、弊社イベントにて講演した内容の一部をご紹介いたします。
     
    最大の変更点
     
    従来の監査とは明確に異なる違いが、「オンサイトでは無いこと」と、「テクノロジーの活用」の2点です。まず、リモートで監査を実施する前に、使用するテクノロジーやプラットフォーム、スケジュール等について、監査をする側と受ける側の双方で合意する必要があります。
     
    「できるだけ早く双方が協力して準備を開始する事で、より適切な計画を策定することに繋がり、安心してリモート監査に臨むことができます。」
     
    そして、これは講演でも繰り返し強調された点ですが、リモート監査では、お互いを尊重することが極めて重要であり、特に、初めて取り組むケースでは、その監査を通じてリモート監査に慣れていく必要がある為、尚更、お互いに対する尊重が求められます。
     
    一方で、従来の監査のように、施設を訪問する形式では監査を実施することができないという課題があり、現時点で、施設内を視察するサイトツアーや、製造ラインの監査は、リモート監査を検討する上での障害となっています。これをこのままリモートに置き換えることは現実的ではありません。しかし、この点は創造性と柔軟性が鍵を握っており、例えば、監査担当者が見たい箇所を事前に録画したり、防犯カメラの映像を活用するといった事が考えられます。これが難しい場合、監査担当者に業務プロセスを説明したり、文書を使用して、その業務の担当者が流れを説明するといったこともあります。結論としては、一部の監査は実地で実施する必要がありますが、多くはリモートでもできるというのが、今回の発見ではないかと考えています。
     
    最大のチャレンジ
     
    変更点でも触れましたが、リモート監査では、テクノロジーが最大のチャレンジにもなります。Weberが講演でも触れましたが、失敗と言うほどの大事ではないにしても、リモート監査の開始時点で、誰かの音声が聞こえない問題の発生は、多くの方が心当たりがあると思います。その為、社内のIT部門にも協力してもらい、監査を実施する前に、ハードウェアやソフトウェアの確認をしましょう。そして、例え誰かにハードウェア等の障害が発生しても、そこは辛抱強く待ち、全ての方の準備が整ってから監査を開始しましょう。
     
    そして、Weberの講演の質疑応答でも話題になったのが、文書に対する監査です。マスターコントロールでは、閲覧依頼の多い文書をお客様Webサイトに掲載し、お客様が直接閲覧できるようにしています。また、他の文書についても、弊社のQMSを管理しているソフトウェアを通じて、簡単に共有する事も可能です。紙で運用しているケースの場合、文書をスキャンし、セキュアーなファイル形式で共有すべきで、これには時間もかかります。ただ、弊社で実施しているように、閲覧依頼の多い文書から開始し、徐々に対象を増やしていくアプローチがお勧めです。
     
    まとめ
     
    新型コロナウイルスに関連して登場した幾つかの違いは、このウイルスが収束した後も続いていくことが予想されています。その中の一つがリモート監査であり、実地調査などは元に戻ると思いますが、会議室でバインダーを開いて文書を確認するような業務は、徐々に減っていき、これは良い傾向であると考えています。弊社の経験では、事前に文書を共有することで、監査自体にかかる時間の大幅な削減に繋がりました。リモート監査は、より効果的で効率的になる可能性が秘められており、より多くの企業が電子化を推進することで、多くのことをより少ない時間で実現できると考えています。
     
     
    この講演の録画(英語)をご覧になるには、下記をクリックしてください。
     
     

    本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。


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